歯科通信
Dental News~加熱式もダメ?!歯周病とタバコの関係〜
最近、日本でも禁煙の流れが進んでおり、喫煙者の数は減少してきているものの、先進国の中では依然として高い数値を示しています。喫煙は歯周病と密接な関係があることがわかっており、ある研究では喫煙者と非喫煙者を比較すると、喫煙者は2〜8倍歯周病になりやすく、1日10本以上喫煙すると5.4倍、10年以上の喫煙では4.3倍歯周病になりやすいとの報告があります。
タバコの成分と歯周病の関係
①ニコチン
ニコチンは血管を収縮させるため、歯肉への血流が悪化し、組織の治癒が遅くなります
②一酸化炭素
一酸化炭素は血液中の酸素運搬能力を低下させ、歯肉や他の組織への酸素供給を妨げるため、歯肉の健康が損なわれます。
③タール
タールは黄ばみの原因だけでなく、粘着質でニコチンを含みやすいため、歯と歯肉の間に付着して歯周組織に影響を及ぼします。
加熱式・電子タバコは大丈夫?
近年、紙タバコ以外のタバコが増えてきており、加熱式タバコや電子タバコはどうなのかというご質問をよくお聞きします。加熱式タバコはニコチンを含むため、紙タバコより影響は少ないものの、歯周病を悪化させる可能性があります。電子タバコはニコチンやタールを含まないため、歯周病と関係ないと言われていますが、使用されてまだ月日が浅いため、データが少ないことが現状です。
歯周病予防には喫煙習慣の改善が大切
禁煙すると、歯肉の血流量が約2週間程度で回復すると言われております。歯周病はギネスブックで認定されるほど世界的に罹患率の高い病気です。お口の健康を維持するために、喫煙習慣の改善を検討しましょう。