

歯科通信
Dental News歯科治療と副鼻腔炎(蓄膿症)との関係
「副鼻腔炎で耳鼻科の先生から歯科に行くように言われた」。このようなご相談を受けることも少なくありません。お口の中、特に上の奥歯は副鼻腔の1つである上顎洞と近接しており、虫歯や歯周病の進行により炎症が広がることもあります。今回は歯科と副鼻腔炎との関連についてご紹介いたします。


虫歯で副鼻腔炎が起こる原因
歯科では、上の奥歯の歯根が感染して、膿が溜まると副鼻腔炎に広がりやすくなります。重度の虫歯や根尖病変の再発など歯根で何らかの感染・炎症が起こると上顎洞に拡大しやすく、副鼻腔炎の症状を引き起こします。
歯が原因の副鼻腔炎の特徴
歯が原因の場合の症状の特徴として、以下のような特徴が挙げられます。
- 片側の鼻だけ詰まる
- 睡眠中に呼吸が止まる
- 頬が痛い
- 歯の治療後から症状が出ている
また、抜歯処置やインプラント治療の術後症状として、副鼻腔炎を起こすこともあり、関連の深い疾患となります。炎症時にはCT撮影を行うことで、より正確に診断を行うことが可能です。
歯科で行う副鼻腔炎の治療
歯科で行う副鼻腔炎の治療には、次のようなものが挙げられます。特に、以前に根管治療を行っている歯の場合、病変の再発の可能性が高く、再根管治療を行うこともすくなくあります。
- 抗生物質の使用
- 根尖病変が疑われる場合には根管治療
- 抜歯処置
また、鼻炎(風邪や花粉症など)により再発のリスクが上がるため注意が必要です。まれに、上顎洞の腫瘍や真菌由来の炎症の可能性もあり、専門外来の受診になることもあります。
上の奥歯の場合は、耳鼻科が関係することも
副鼻腔炎の中でも特に上顎洞炎では、耳鼻科と歯科が関係する部位でもあり、連携が必要になることも少なくありません。耳鼻科から歯科へ、歯科から耳鼻科へそれぞれ通院が必要になることもありますので気になる場合にはかかりつけ医もしくは歯科医にご相談ください。
