歯科通信
Dental News〜お口の中のがんを知ろう!〜
「がん」というと、胃がんや肺がん、大腸がんなどを思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし実は、舌・歯ぐき・頬の内側・口の底・上あご・唇など、お口の中にもがんが発生することがあります。これを「口腔がん」といいます。日本では年間およそ8,000~9,000人が口腔がんと診断されており、決して珍しい病気ではありません。しかし、初期の段階で見つけることができれば、治療による機能障害を抑えられる可能性が高く、治癒も十分期待できます。

がんはどのようにしてできるのか?
私たちの身体では、毎日たくさんの細胞が生まれ変わっています。細胞が分裂するときには、DNA(遺伝情報)がコピーされますが、加齢や生活習慣、慢性的な刺激などによってDNAに傷(遺伝子変異)が蓄積することがあります。通常は体の修復機能や免疫によって異常な細胞は排除されます。しかし、何らかの原因で異常な細胞が増え続けるようになると、周囲の組織へ入り込みながら増殖する「がん細胞」へと変化してしまいます。

口腔がんができやすい場所
・ 舌(最も多い)
・歯ぐき
・頬の内側(頬粘膜)
・唇
・口の底(舌の下)
・上あご(口蓋)
特に舌の側面は、口腔がんが最も多く発生する部位として知られています。
口腔がんの主な危険因子
口腔がんには、さまざまな要因が関係すると考えられています。
・喫煙
・過度の飲酒
・お口の清掃不良
・歯や入れ歯による慢性的な刺激
・HPV(ヒトパピローマウイルス)の一部の型
これらが重なることで、発症リスクが高くなることが知られています。
「口内炎」と「口腔がん」の違いは?
口内炎の多くは、1〜2週間程度で自然に治ることがほとんどです。
一方、口腔がんでは、
・なかなか治らない
・徐々に大きくなる
・硬いしこりを伴う
・出血しやすい
といった特徴がみられることがあります。見た目だけで判断することはできませんが、「2週間以上治らない口内炎」は、念のため歯科医院で確認してもらうことをおすすめします。
口腔がんは、早期発見・早期治療がとても重要ながんです。定期的な歯科検診では、歯だけでなくお口全体をチェックしています。「少し気になる」「治りが遅い」と感じたら、自己判断せず、お気軽にご相談ください。